Beating 第30号
2006年度Beating特集
「5分でわかる学習プロジェクト講座」 第8回:学習研究のヨーロッパ連合〜『Kaleidoscope』
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東京大学大学院 情報学環 ベネッセ先端教育技術学講座「BEAT」
メールマガジン「Beating」第30号 2006年11月28日発行
現在登録者1241名
2006年度Beating特集「5分でわかる学習プロジェクト講座」
第8回:学習研究のヨーロッパ連合〜『Kaleidoscope』
http://www.beatiii.jp/
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皆さまこんにちは。寒い日が続きますが、お元気でお過ごしでしょうか?
季節柄、体調を崩されぬようお気をつけ下さい。
体調を崩したとき、改めて健康の有難さを痛感しますよね。今月の公開研究会
のテーマはなんと、「健康とICT」です。自身の健康管理をも見つめ直す良い
チャンス、皆さまどうぞ足をお運び下さい。
それでは、2006年度Beating第30号のスタートです!
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┃★CONTENTS★
┃■1. 特集:2006年度Beating特集「5分でわかる学習プロジェクト講座」
┃ 第8回:学習研究のヨーロッパ連合〜『Kaleidoscope』
┃
┃■2. 【お知らせその1】公開研究会「BEAT Seminar」2006年度第7回:
┃ 〜12/09(土)開催!
┃
┃■3. 【お知らせその2】2006年度第6回公開研究会「BEAT Seminar」
┃ Webサイトのご案内
┃
┃■4. 編集後記
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■1. 特集:2006年度Beating特集「5分でわかる学習プロジェクト講座」
第8回:学習研究のヨーロッパ連合〜『Kaleidoscope』
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今年度のBeatingでは、BEATの研究をより理解していただくため、Beatingで昨
年度までに見てきた学習理論を土壌に、世界各地で花開いている学習プロジェ
クトを、1年を通じてみなさんに紹介していく講座を開講いたします。
昨年度のBeatingバックナンバー
http://www.beatiii.jp/beating/index.html
「◯◯理論とは言うけれど、いまいち具体的なイメージがわかないなあ…」
「どうやったら教室や学びの場に実際に使えるのだろう?」そんな声にお答え
するべく、今年度のBeatingでは古今東西学習プロジェクトの"いま"を、みな
さんにお届けしていきます。
この連載ではこれまで、アメリカを中心にさまざまな学習プロジェクトを紹介
してきました。そして第8回目の今回は、ヨーロッパの最新の動向をレポート
します。
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第8回:学習研究のヨーロッパ連合〜『Kaleidoscope』
プロジェクト名:Kaleidoscope
国・発足年 :ヨーロッパ各国・2004年
代表者 :ニコラス・バラシェフほか
所属 :Network of Excellence
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■今回はヨーロッパのお話です!
オーストリア、ベルギー、ブルガリア、キプロス、デンマーク、フィンランド、
それにイギリス、フランス、ドイツ…何のことだか分かりますか? これらは
全て、ヨーロッパ連合(EU)に加盟している国ですね。皆さんご存知のように、
ヨーロッパ連合は、アメリカなどの経済大国に対抗するため、政治・経済的な
面での統合を目指している組織として作られました。
普段知られるEUの顔,政治・経済的な面だけではなく、EUによって実現する人
的ネットワークを最大限活用するべく、学習研究についても、ヨーロッパ全土
の学習研究者・実践者の協働を目指しているプロジェクトがあります。
それが、Kaleidoscopeです。
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■学習研究のヨーロッパ連合!
Kaleidoscopeは、24カ国90以上の大学等研究組織(カナダ、台湾を含む。
先ほど挙げた国々もメンバーに入っています)、1000人以上の研究者からなる、
ゆるやかな学習研究のコミュニティです。「テクノロジーが促進する学習」
(TEL = Technology Enhanced Learning)について、社会科学、教育学、
そしてコンピュータ科学という領域を横断した、さまざまな学際研究を進めて
います。
EUから4年間で935万ユーロ(約14億円)の資金提供を受けているNetwork of
Excellence(知のネットワーク)であり、ヨーロッパ全体の学習環境の改善の
ための政策提言までを目指している、とても大きなプロジェクトです。
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■さまざまなプロジェクト
「Kaleidoscope」とは、万華鏡のこと。プロジェクトの中では、まさに万華鏡
のように、さまざまな国際会議などのイベントやサブプロジェクトが立ち上が
り、くっついたり離れたり、多くの活動が行われています。
たとえば、ドイツの知識メディア研究センター(KMRC)の博士課程の学生であ
るヤン・ゾットマン氏は、医療現場における過誤について、若い医師のために
シミュレーションによる学習教材を開発し、人的ミスを減らしたいと考えてい
ます。そのために、学習研究、コンピュータ科学研究、そして医療現場の知を
統合した学際研究を展開しており、Kaleidoscope内の各国の研究者とコミュニ
ケーションしながら自分の視野を広げています。
またラーシュ・コッベ氏はこのようなKaleidoscope内の学際的共同研究のデザ
インについて研究しており、「テクノロジーが促進する学習」という側面から、
うまい協調を生み出す共同研究のあり方についてスイス、フィンランド、
ドイツの大学との共同研究を進めています。
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■Kaleidoscopeの成果は?
Kaleidoscopeは4年間の時限つきプロジェクトであり、2008年3月に終了するこ
とが決まっています。しかし、上に挙げたヤン・ゾットマン氏の研究などのさ
まざまなサブプロジェクトは、2年後にあっさりと終了できるようなプロジェ
クトではありません。Kaleidoscopeはあくまでネットワークであり、2年後に
プロジェクトが終了したあとも、このような共同研究が継続的に行われること
が目指されています。
Kaleidoscopeはさまざまなサブプロジェクトから構成されており、それ自体の
成果を評価することは困難です。その成果は、未来に向かって開かれていると
見るべきでしょう。Kaleidoscopeは、さまざまな共同研究が芽吹き、大きく育
っていくための土壌なのです。
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●参考URL
「Kaleidoscope」
http://www.noe-kaleidoscope.org/pub/
(特集記事協力:
三宅正樹/東京大学 大学院 学際情報学府 修士1年
平野智紀/東京大学 大学院 学際情報学府 修士1年)
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今号での『Kaleidoscope』の紹介、お分かりいただけましたでしょうか。
Beatingで知ってもっと学びたくなった、という方のために参考図書も充実さ
せていく予定です。どうぞご期待ください。
では、「5分でわかる学習プロジェクト講座」次号もどうぞお楽しみに!
ご意見・ご感想もお待ちしております。
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■2. 【お知らせその1】公開研究会「BEAT Seminar」2006年度第7回:
〜12/09(土)開催!
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禁煙したのに長続きしない、ダイエットを始めてみたがなかなか痩せない。
こんなことに悩んでいる方も多いのではないでしょうか。健康は学習と同様に
毎日の一つ一つの行動をいかにコントロールするかが重要です。学習の世界に
おいてはCAI(Computer Aided Instruction)、WBT(Web Based Training)の
ように1970年代くらいから学習者支援の分野でコンピュータやインターネット
(WWW)などのICT(Information Communication Technology)が活用されてき
ました。
今回の研究会では、健康分野において、人の行動を継続させたり、変化させる
ことについて、どのようにICTを活用しているのかという点を中心に、実際に
インターネットを活用した健康促進サービスを運営されている1団体、2社の3名
の方にお話しいただきます。
—————————【第7回 公開研究会 概要】————————————
■テーマ
「健康とICT 〜Web2.0で健康に?!〜」
■日時
2006年12月9日(土曜日)
午後2時より午後5時まで(午後1時半開場)
■場所
東京大学 本郷キャンパス 工学部2号館北館1F 211講義室
http://www.beatiii.jp/seminar/seminar-map27.pdf
(定例会場と同じ建物の1Fです)
■定員
100名
(最近、BEATの公開研究会は〆切前に募集停止になることが多くなっています。
お早めにお申し込みください。キャンセルの場合は、お手数でもsato@beatiii.jp
までメールをいただければ幸いです。一人でも多くの方に ご参加いただくため、
ご協力をよろしくお願いいたします。)
■参加方法
参加希望の方は、BEAT Webサイト
http://www.beatiii.jp/seminar/ にて、ご登録をお願いいたします。
■参加費
無料
■内容
pm2:00-pm2:10
●企画趣旨説明
山内 祐平 (東京大学)
【第1部】pm2:10-pm4:10
pm2:10-pm2:40
●プレゼンテーション1
「インターネット禁煙マラソンプログラムについて」
三浦 秀史(禁煙マラソン事務局長)
高橋 裕子(禁煙マラソン主催/奈良女子大学教授)
pm2:40-pm3:10
●プレゼンテーション2
「かわるナビ 〜生活改善応援SNS〜 について」
渡辺 敏成((株)リンクアンドコミュニケーション代表取締役社長)
〜休憩10分〜
pm3:20-pm3:50
●プレゼンテーション3
「『ネットワーク管理型』健康測定器について(仮)」
講演者 調整中
【第2部】pm3:50-pm5:00
pm3:50-4:20
●グループディスカッション
(参加者の方にグループで話し合って質問を出していただきます)
〜休憩10分〜
pm4:30-5:00
●パネルディスカッション
メンバー
登壇者 3名
コーディネータ
東京大学 山内 祐平 (BEATフェロー)
※終了後、懇親会を開催します。カジュアルな会で、発表者と参加者が交流
できるものですので、ぜひご参加ください。
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■3. 【お知らせその2】2006年度第6回公開研究会「BEAT Seminar」
Webサイトのご案内
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11月のBEAT公開研究会「BEAT 'Special' Seminar」:学習科学とICTは学びの
あり方を変えるか- 高等教育の変革を事例として - は、大変盛況でした。
みなさまのご参加ありがとうございました。
その内容を BEAT Webサイトに本日公開いたしました。当日出席出来なかった
方、内容を振り返りたい方など、どうぞご覧下さい。
第6回:「BEAT 'Special' Seminar」:
学習科学とICTは学びのあり方を変えるか
- 高等教育の変革を事例として -
http://www.beatiii.jp/seminar/026.html
これからもさまざまなかたちで、進捗状況や成果の報告をしていきますので、
みなさんどうぞご期待ください。
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■4. 編集後記
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。
いよいよ、クリスマスシーズン到来ですね。
皆さんは子どものとき、どうやって自分の欲しいプレゼントをサンタクロース
に伝えましたか?
今月、多くの幼稚園児と接する機会があり、たわいもない会話の中で、子ども
達に、プレゼントをお願いする方法を聞いてみました。どの子も目を輝かせて
秘伝を教えてくれたのですが、各自、いろんな手段を持っていることに驚きま
した。「手紙を書く」、「夜、窓から外に向って叫ぶ」、「心の中で10回唱え
る」、「お母さんにお願いしておいてもらう」等々・・・。
朝、目を覚まし、クリスマスツリーの下にプレゼントを見つけたときの感動、
それが自分が欲しかったものだと分かった瞬間の不思議な(ファンタジックな)
感覚は今でもはっきり覚えています。幼児期の終わりと共にそんな体験はなく
なってしまいましたが、今度は提供する立場!子どもの感動を共有することで
追体験したいと思います。
皆さまも素敵なひと時をお過ごし下さい。
では、次号のBeatingもお楽しみに。
「Beating」編集担当
佐藤 朝美
satomo@beatiii.jp
-------次回発行は12月第4週頃の予定です。
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「Beating」編集担当
佐藤 朝美(東京大学大学院 学際情報学府 山内祐平研究室 修士課程2年)
satomo@beatiii.jp
□「BEAT」公式Webサイト
http://www.beatiii.jp/
□発行
東京大学大学院 情報学環 ベネッセ先端教育技術学講座「BEAT」
Copyright(c) 2006. Interfaculty Initiative in information Studies,
The University of Tokyo. All Rights Reserved.
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